ミツバチと花のジプシー

貴重な国産はちみつ

南北に細長い日本では、かつては転地養蜂がさかんに行われていた。九州を振り出しに早春スタートすれば、北海道にたどり着くまでの約半年間、かなりの蜜を集めることができたという。しかしながら開発による蜜源(ミツバチが蜜を集めるのに適した花畑)の減少で、いまや転地養蜂家は全国で200人もいないというのが現状だ。さらには海外からの安い輸入はちみつに押され、国内生産量は輸入物のわずか10分の1以下となってしまった。それだけに、じっちゃんやばっちゃんとミツバチたちが作り出したはちみつは、とてもとても貴重なものといえるのである。

「Outdoor」山と渓谷社2000年6月号より

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